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Artist Statement
私の作品づくりは、寺院建築や日本美術、借景や枯山水の庭に触れ、そこに宿る独特の美意識に惹かれたことから始まりました。
そうした美意識に触れる中で、より深くその本質を理解したいと思うようになり
寺垣外窯(てらがいどうがま)杉本貞光先生へ師事し、先生との対話や修行を重ねる中で、『自然性』や『取り合わせの妙』
つまり『侘び』の本質に触れ、それを探究し表現する道を今日まで歩んでいます。
私の取り組みは、伝統の形をそのまま受け継ぐのではなく、伝統的な作品や事象に込められた意図や概念を考察し
それらを現代の視点と技術で新たに表現することです。
そして、それらを現代社会に問いかけ、残していくことが使命であると感じています。
作品では「侘び」を表現するために、「対比」や「連鎖」という要素を取り入れています。
私は「侘び」を、巡り合わせの妙の中に宿る「気づきの種」ではないかと考えています。
その種は、受け止める人の心の中で、想像の連鎖を養分にして育ち、やがてそれぞれの心に「気づきの花」が開花していく。
侘びの本質とは「気づき」そのものではないかとも思います。
日常の中で、新たな気づきの種を得るには、受け入れることと変えていくこと、どちらの姿勢も必要です。
そして、気づきを得るためには、想像の力が欠かせません。
想像することで、身の回りの世界が新たな視点を持って立ち現れ、そこに宿る美や物語が見えてくるのです。

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